大崎耳鼻咽喉科

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PCRテストとは

2020.12.10

新型コロナウイルスの検出法としておなじみのPCRとは、いったいなんのことでしょう。以前に遺伝子研究に携わっていたので僕にとっては当たり前の名称なのですが、一般的にはよくわからないと思います。そこで、特に馴染みの無い方に向けて僕なりにわかりやすく解説してみようと思います。
PCRはPolymerase Chain Reactionの略で、要はコロナウイルスのRNAをとにかく増幅して、増やす、のがPCRです。ウイルス1個体には1つのRNAしかありません。そんな1本やわずか数本のRNAでは陽性か陰性か判定できませんので、その元のRNAを鋳型として同じRNAを複製するのがPCR反応です。RNAに酵素やバッファー(緩衝液)を混ぜたものを化学反応を起こそうとに急に温めて65℃で10分おいて急速冷凍して4℃で3分置いて、みたいな全自動洗濯機のような仕事をするのがPCRマシンです。このPCR反応は-例えばPCRサイクル(洗濯機を立て続けに回す回数)を20に設定すると、1本のRNAが倍々に増えること20回ですので、2の20乗 =1,048,576本 に増えます。 1本のRNAでは陽性か陰性かわかりませんが、これだけたくさん同じもの増えれば、判定できます。元がコロナRNA0本なら0x1,048,576 =0本 火のないところにRNAは増えませんし、コロナRNAが1本でもいれば大量に増幅します。
この増幅したDNA(遺伝子研究ではDNAでした)のある特定の鎖(塩基配列)を持っている部位を綺麗に切断できるかどうかや(制限酵素という鍵付きのカッターを用います)、また直接塩基配列を読み込むなどで、遺伝子研究は行われます。とにかく、PCRテストはこのようにDNAやRNAをとにかく増幅して検査材料とすることを指します。もうずっと前から、例えば結核性リンパ節炎の診断や、クラミジアの診断にも用いられている方法です。
以上簡単に説明してみました。正確性を欠く部分もあるかと思いますのでその点はご容赦ください。